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震災を機に23年間使い続けた設備を更新、ランニングコスト50%以上削減

武田紙器
震災を機に23年間使い続けた設備を更新、ランニングコスト50%以上削減

工場2階の生産ライン


細やかな空調設定ができるように


 GHP導入工場の延床面積は3800平方メートル、空調必要面積は2400平方メートル。2階建てで、1階は主に段ボールなどの型抜き機器や折り機などが並び、2階では比較的小型の製品を扱う機械と、資材置き場となっている。従来はダクトからのスポット空調を使用していたため、作業者へのピンポイントでの冷暖房はできていたが工場全体はあまり温まっていなかった。GHP導入後は全体空調も合わせて設置したためより空調効果が高まった。逆に工場2階の空調は普段人がいないスペースへの空調をなくしたり、太陽光が差し込む時間帯の暖房を弱めたりするなど、工場の状況に応じて機器を選定し、さらに細やかな設定ができるようになった。

(スポット空調に加え、全体空調も導入した)

 重油のデメリットも解消された。近隣は工業地域なので重油ボイラ運転時には排煙などへの苦情はなかったが、煙突まわりはどうしてもススで汚れてしまい、雨の日には煙突前の駐車場に止めていた車にススが付着し黒くなってしまうこともあった。GHPへの転換によって煙突は撤去され、排煙も出なくなった。

(もともと煙突があった場所。ススで汚れている)

 さらに以前は重油タンクが工場設備内にあることへの不安もあったという。「紙を扱うので、重油タンクが近くにあるのは何となくいやだな、という感覚がありました」。

 メンテナンスが容易になったことも大きな効果だ。重油タンクは内容量が把握できず、「朝来て重油がない、ということがありました」(郡氏)。また重油が吹きこぼれることもあり、ふき取った重油も容易には捨てられず産業廃棄物として処理しなければならないなど手間も多かった。GHPではLPガスタンクの容量が40~60%になると自動的に充填に来るシステムになっている。

 夏の冷房使用時の効果のとりまとめは現在進行中だが、段ボール工場にて一定の効果が見られたため、今後は他施設への横展開を計画。現在試算中だという。

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