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「親にプレゼントするため」 高齢者はLINEスマホを使ってくれるか

圧倒歴な知名度で参戦。MVNO市場、新たな競争曲面に
「親にプレゼントするため」 高齢者はLINEスマホを使ってくれるか

「LINEモバイル」の料金プランなどを紹介する嘉戸彩乃LINEモバイル社長


競合は独自サービスで差別化


 格安スマホ市場では独自のサービスによる差別化競争が始まっている。自社やグループの資源を活用し、スマホ利用者に付加価値を提供して囲い込む。「楽天モバイル」やソフトバンクがサブブランドとして展開する「ワイモバイル」は自社グループが運営する電子商取引(EC)サイトと連携する。

 楽天モバイル契約者は「楽天市場」、ワイモバイル契約者は「Yahoo!ショッピング」での購入時にもらえるポイントを増やす施策などを展開する。自社グループのECサイトの利用率が高まると同時に、「ECサイトをお得に使えるスマホとして解約率の減少につながる」(寺尾洋幸ソフトバンク執行役員)という。

 LINEは一部のサービスをデータ通信料無料で提供する「カウントフリー」で勝負する。第1弾として「LINEフリー」と「コミュニケーションフリー」を提供した。今後は音楽配信サービス「LINE MUSIC」のフリープランも展開する予定。動画配信サービス「LINE LIVE」などもフリーの検討対象という。

「LINEならではの個性が欲しかった」


 LINEが格安スマホ事業に参入した背景には「スマホは画一的な料金プランで提供されており、利用者の需要に対して過剰や不足が生まれている」(舛田淳LINE取締役CSMO)という認識がある。カウントフリーはそのギャップを埋める重要なツールになると見ている。

 ただ、カウントフリー機能は他社のサービスでも既に提供されており、LINEの第1弾プランは「没個性で後発としては話題性に欠ける。LINEならではの個性が欲しかった」(横田MM総研取締役)との指摘もある。カウントフリーの幅を広げていく中で利用者の需要に料金面を含めて応え、特色を出せるかが今後の成長を左右しそうだ。
(文=葭本隆太)
日刊工業新聞2016年10月10日「深層断面」から抜粋
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
そもそもLINE利用者はほぼスマホの保有しているので、LINEの利用者(母数)を増やしていく必要がある。その意味で高齢者層をターゲットにするのは必然の流れ。ただ「LINEは無料」というイメージもあるので、実店舗がないと契約へと結びつけるのは難しいのではないか。契約とは直接関係ないが、「カウントフリー」の機能が広まると、ネットワークの中立性に関する議論も将来的に起こってくるだろう。

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