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味付け数の子のパイオニア、次なる挑戦 コスト・環境の両面を解決するLPガスボイラ
丸本本間水産
重要設備のボイラを新しく
一方で、水産加工品を手がけるメーカーとしてもエネルギーをいかに効率的に使うかという点も重要な課題だ。例えば、蒸気ボイラを活用した熱湯。数の子の皮むき用として使ったり、鮭とばを入れたりするトレイを洗浄するのに多量を消費する。商品の衛生管理上でもボイラは重要な設備だ。
丸本本間水産では2015年当時、灯油焚き蒸気ボイラを2台所持していた。1台は故障していたが、繁忙期ではなかったのでもう1台で生産は間に合っていた。10月以降の繁忙期までに、初期投資や維持管理費を安く抑えてボイラ設備を更新したいと考えていた。1台が灯油だったこともあり、再度、灯油焚きボイラを採用する予定だったが、コストメリットなどさまざまな検討を進め、方針を転換した。「エネルギー使用合理化事業者支援補助金(更新費用の1/3を補助)」に申請し、新たにLPガス焚きボイラの導入することに決めた。
補助金活用による初期投資の削減や灯油時と比べた維持費から見ても適正な燃転と判断し、サムソン製の蒸気ボイラ2台を導入した。従来のボイラ設備2台は1トンと500キログラム時と蒸発能力に差もあったので、新たな設備では750キログラム時を2台に整えた。
新しいボイラの導入後、燃料費は14年度に比べて、15年度は8月からの導入であり、一部中国での生産にしたものはあったものの、年間で半減近い効果がみられた。メンテナンス費用も灯油時に比べて7-8割ほどの削減、CO2も約2割の減少につながった。
現場でも、機械設備の効率的な稼働は負担軽減につながった。バーナーの清掃や排煙の点検作業などのメンテナンスについても、LPガス焚きボイラの場合には必要が無いことから、回数や実施内容においても維持管理が楽になったと実感している。
北海道内で生産するというブランド価値
野田社長も「コストメリットもあり、メンテナンスの負担も減った」と一定の評価をする。今回をきっかけの一つとして、短期的なエネルギー効率化とともに、野田社長は長期的な経営も見据える。
丸本本間水産は北海道の道都である札幌の中心に所在している。かつては札幌中央卸市場が近隣にあり、札幌を消費地の中心として意識していれば良かった時代もあった。だが、現在では東京・築地など関東が売り上げ・規模の点においても水産市場の中心だ。野田社長は「時代とともに対応していかなくてはならない」と道外へのアンテナを張ることも重要だと力を込める。
全国展開しやすい体制や生産効率などを考えるほか、引き続き北海道内で生産するというブランド価値も重要視する。実現に向けては、道内において札幌より郊外への将来的な工場の移転といったことも検討している。
新たな展開に踏み出した丸本本間水産だが、引き続き企業の社会的責任は欠かせない。生産体制の整備やコストメリットともに環境保全も合わせて取り組む。野田社長は「今後も効率化と環境を守るために、ガスの設備を入れていくことは重要なファクターになるはずだ」と強調する。エネルギー効率化とともに丸本本間水産としての新たな経営の形も思い描く。
LPガスへの燃料転換のご案内
http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/index.html
LPガスへの燃料転換事例や削減効果シミュレーションプログラム等を掲載しております。