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競泳の萩野選手、祝・ニッポン金メダル1号!アスリートの肉体は「食」で作られる

日本はアミノ酸の活用で金メダル。食品メーカー、支援しながら業に生かす
 五輪・パラリンピックの選手を食でサポートするのが、日本の食品メーカーだ。味の素はアミノ酸、明治はプロテインの研究成果を核に、選手の栄養や健康状態の管理を支援している。
 
「用途・目的別のアミノ酸組成素材は日本が世界で断然1位だ」。味の素スポーツニュートリション部の遠藤典数マネージャーは胸を張る。

 同社はいわずと知れたアミノ酸のトップメーカー。アミノ酸と一口に言っても、筋肉疲労軽減に役立つアルギニン、グルタミンや疲労回復のロイシン、持続エネルギー補給用のアラニン、プロリンなど多くの種類がある。

 選手が最高のコンディションで試合に臨むためには、運動前と運動後、あるいは運動種目など用途や使用目的に応じてアミノ酸の種類を組み合わせて摂取する必要がある。この技術が「外国がまねのできないノウハウ」(遠藤マネージャー)だ。

連戦勝ち抜くエネルギーを


 例えば競泳の選手なら、ハードな練習を継続できる体を作り上げることが大事。競泳では1日で予選や準決勝、決勝と続くため、個々の選手のエネルギー消耗や疲労度も膨大なものになる。

 消耗したエネルギーを補うため、体の筋肉が落ち、次の試合でパワーやスタミナ不足になる。予選をトップ成績で通過しても、決勝で脱落や失速する選手が多いのはこうした理由からだ。これを防ぐため、大会中は選手個々の体組成と競技スケジュールに応じて3日目、4日目などの推定エネルギー消費量を算出。選手に栄養補助食品や補食を供給し、きめ細かくサポートしている。

 明治は五輪で、バレーボール選手をサポートする。バレーボールも5セットの連続ゲームや延長戦など、スタミナと体力が要求される。常松雅子スポーツ栄養マーケティング部普及グループ長は「食べない選手は強くなれない」と、栄養バランスがとれた食事をきっちり取る重要性を指摘する。

 コメ、肉、野菜、果物、乳製品が入った食事を必ず取り、その上でホエイプロテインやリカバリープロテイン、エナジーゼリーといった栄養補助食品を供給する。同社は栄養補助食品「ザバス」のさまざまなシリーズ商品を選手の状態に合わせて選び、最適なタイミングで提供する。

 これまでサッカーや陸上、野球、ボクシングも含めさまざまな種目のアスリートを栄養面でサポートしてきた。「その知見が現在の品ぞろえや商品開発にも役立っている」(常松グループ長)と本業への効果も実感している。
日刊工業新聞2016年7月22日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
過酷な環境に追い込まれるアスリートの肉体を支えるのは、世界トップの日本の食品。その恩恵を我々も享受できるのは嬉しいことです。

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