資本金50万、ノープランからの起業で「ふるさと納税」ブームを牽引

<情報工場 「読学」のススメ#10>『「1000億円のブームを生んだ 考えぬく力」(須永 珠代 著)

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「ふるさとチョイス」開設で寄付額1000億円超へ


 数年前からブームが訪れていることもあり、「ふるさと納税」制度の存在を知る人は多いことだろう。この記事を読む人の中には実際に利用したことのある人もいるかもしれない。簡単に言うと、自分の好きな自治体を選んで寄付ができる制度だ。寄付額のうち2,000円を超える分について所得税と住民税から原則全額が控除される。ほとんどの自治体が寄付者に対して、地元の特産品などの「返礼品」を用意しており、それがこの制度の大きな魅力の一つとなっている。

 この「ふるさと納税」は2008年に設けられた。初年度の寄付総額は約81億円。全国1,789(当時)自治体の合計としては、決して大きな額とは言えない。翌年以降も総額は伸び悩み、年間寄付額ゼロ円という自治体も珍しくなかった。

 ところが2013年以降、寄付者の数、寄付額がぐんと伸びる。2015年には年間寄付総額が1000億円を超えたという。この躍進は、2012年9月に「ふるさとチョイス」という日本初の「ふるさと納税」ポータルサイトがオープンしたことが大きい。今では寄付の申し込みの8割以上が同サイトを通して行われている。

 「ふるさとチョイス」は、2012年4月創業の「トラストバンク」というベンチャー企業が開設、運営している。創業者で代表取締役を務める須永珠代さんは、「ふるさとチョイス」の成功と、それにより地方行政を元気にしたことが評価され、雑誌「日経WOMAN」主催の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」大賞を受賞している。

 須永さんが著した『1000億円のブームを生んだ 考えぬく力』(日経BP社)には、起業の経緯、自身のものの考え方、モットーやポリシーなどが語り尽くされている。

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冨岡 桂子
情報工場

日本では創業3年以内に90%が倒産すると言われているくらい、起業してから企業を存続させていくのはとても難しいものです。創業者がエンジニアの場合、ささっとサイトを作りネット系のサービスを開始できるスタートアップも多いようですが、その後に0→1、1→100まで持っていくには様々な克服すべき要素があり、しかもそれらは複雑に絡み合っていて、険しい道のりです。その要素とは、マーケティング戦略など自分たちでコントロールできるものもあれば、時流や運といったコントロールできないものもあるでしょう。最近、起業する人が増えてきた印象があります。成功に必要な様々な要素を自分の味方にして大きく羽ばたく起業家が日本にももっと現れることを期待したいと思います。

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