有機ELは液晶パネルの教訓を生かせるか。「量が質を決める」コモディティ化は宿命

パナソニック、テレビ用から撤退

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パナソニックの姫路工場
 パナソニックが9月末をめどに、姫路工場(兵庫県姫路市)で生産しているテレビ用液晶パネルから撤退することが分かった。約1000人いる従業員の内、100人程度は蓄電池工場などに配置転換する。姫路工場は今後も液晶パネル生産を継続するが、車載、医療用など高付加価値製品に特化する。

 テレビ用液晶パネルは中国で大型工場の稼働が相次ぎ、価格競争の激化により国内生産で利益を確保するのは難しい状況だ。姫路工場を運営するパナソニック液晶ディスプレイ(同)の年間売上高は800億円程度だが赤字が続いていた。

 パナソニックは2016年度から収益重視の経営方針を改めて掲げており、赤字のテレビ用液晶の生産撤退もこの方針に沿った動きだ。

 ただ、液晶パネル事業を管轄する社内カンパニー、AIS社の伊藤好生社長は「情報の出力先である液晶パネルを自前で生産することは必要」とする。姫路工場の10月以降の生産量は現在の4分の1程度となる見通しだが、車載、医療用などに特化して利益確保を目指す。

 国内ではシャープと台湾・鴻海精密工業が共同運営する堺ディスプレイプロダクト(堺市堺区)もテレビ用液晶パネルを生産するが同様に価格競争に巻き込まれている。顧客の要求によっては、より安価な他社パネルを調達するなど収益確保に苦心している。

日刊工業新聞2016年6月1日

COMMENT

液晶パネルはかねてから、半導体ビジネスと同じと言われてきたが、その通り、DRAMと同様の軌跡をたどってしまった。今後、パナソニック社は高付加価値製品に特化するということだが、厳しい道のりだ。エレクトロニクス製品は、質が量を決める反面、量が質を決めることもあるからだ。大量に生産する方が、やがて品質においても、勝ることは多い。 今、有機ELのパネルが注目されているが、このビジネスの性格も液晶と大きく変わらないように思われる。要する時間や、登場するプレーヤーは違うだろうが、コモディティ化は進み、価格競争は熾烈化する。日本メーカーには、液晶パネルでの教訓を生かしてほしいと思う。

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