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素の「味の素」に出会える見学施設オープン。また一つ、京浜工場萌え!

5月7日から川崎事業所で。GWに発酵タンクや瓶詰め体験はいかが?
素の「味の素」に出会える見学施設オープン。また一つ、京浜工場萌え!

醸造タンク

 味の素は国内主力工場の川崎事業所(川崎市川崎区)に、見学施設「味の素グループうま味体験館」を5月7日、オープンする。うま味調味料「味の素」がサトウキビ原料などからできる説明や歴代の商品展示に加え、味の素の瓶詰め体験ができる。和食の世界無形遺産登録で“うま味”が注目されており、関心を寄せる外国人も多い。味の素の岩本保取締役専務執行役員は「うま味やアミノ酸の科学的情報を内外にわかりやすく発信していきたい」と話す。

  川崎事業所は敷地面積が約33万平方メートルあり「味の素」「ほんだし」「クックドゥ」が3本柱。工場見学は味の素コース、ほんだしコースがあり、どちらも時間は90分。ウェブで予約を受け付ける。味の素コースでは工場内の発酵タンク見学や瓶詰め体験、ほんだしコースはかつお削り体験やほんだしおにぎり試食などがある。見学施設にかけた費用は約14億5000万円。平日以外に土曜日も営業し、年間6万人の来場者を目指す。

 見学施設の利点について高橋健三郎広報部長は「製品を五感で体感できること」と指摘する。商品を紹介する情報はホームページの画像などでも発信しているが、工場現場のリアル感覚には及ばない。工場なら商品がどんな原料で、どんな人たちがつくっているか、一目瞭然だ。「見学者とフェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションすることができる。いただく声は少数でも、貴重な現場情報として確実に生かせる」という。見学施設の隣には認可保育所やカフェなどもあり、地域住民との共生を図っている。

 同様の趣旨の見学施設は、東京都調布市にキユーピーも開設している。工場見学にくる消費者は、その会社や商品に好意を持っていることが多い。コンシューマー産業である食品メーカーにとって、工場見学は株主優待と並ぶ重要なコミュニケーションツールとなっている。
日刊工業新聞2015年04月29日 建設・エネルギー・生活面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
記者になって最初に担当になったのが食品業界。なので、味の素は思い出深い。当時は保守的な会社だと閉口したこともあったが、その後、会社もいろいろあって変わった部分も多い。創業者の「鈴木三郎助」を社長が代々襲名(途中から鈴木家は社長に就任していない)していくあたりは日本的で、なかなか粋だな、と感じた。

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