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全国の財務局長の景気判断は正しい?4月は「緩やかに回復」を継続

九州除き据え置き
 財務省は27日に開いた全国財務局長会議で、各財務局から提出された直近3カ月の経済情勢報告を「4月判断」としてまとめた。全国11財務局による景気の総括判断は「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復している」との前回の1月判断を据え置いた。財務局別では11地域のうち九州財務局を除く10地域が景気の基調判断を据え置き。九州財務局は熊本地震が地域に与える影響を把握できず、基調判断の前回比較は行っていない。

 九州財務局は足元の基調判断について「熊本地震前は一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつあった」とした上で、地震による地域への影響全体を把握する必要があると指摘し、前回判断と比較できない状況にある。

 全財務局による総括判断を要約すると、「生産」はスマートフォン関連の生産調整などで一部に弱さがみられるほか、熊本地震の影響を指摘する声も聞かれるという。「個人消費」は軽自動車などで一部に弱さがみられるものの、高額商品や食料品などが好調で、総じてみれば底堅いと判断した。「雇用情勢」は有効求人倍率が高水準で推移するなど改善しているとした。

 先行きについては各財務局は、海外経済の下振れリスクを警戒しつつ熊本地震の影響を注視するとしている。

【北海道、外国人客・新幹線効果で消費好調】
 総括判断は「緩やかに回復しつつある」に据え置いた。一方で、観光と生産活動、公共事業は上方修正した。観光は外国人観光客の増加が続き、北海道新幹線開業に伴う効果もみられ、好調に推移している。生産活動は食料品が堅調なことなどから「おおむね横ばいとなっている」に改めた。公共事業は「前年を上回る」とした。

【東北、情通機械が高水準生産活動上方修正】
 総括判断は「一部に弱さがみられるものの、回復しつつある」から「回復しつつある」に表現を変えた。情報通信機械が操業度を上げ、電子部品・デバイスが下げ止まりつつあることから生産活動の判断を上方修正した。先行きは雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果や復興需要を背景に景気回復が期待される。

【関東、生産活動持ち直し公共事業上方修正】
 総括判断は「弱い動きが見られるものの、緩やかに回復している」に据え置いた。個人消費は乗用車販売など一部が弱い一方、百貨店・スーパー販売額は前年を上回るなど堅調。生産活動は緩やかに持ち直しつつあり、雇用情勢も改善を続ける。公共事業は「底堅く推移している」から「前年を上回っている」に修正した。

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日刊工業新聞2016年4月28日 中小企業・地域経済面
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
なお「九州」は熊本にある九州財務局のことで、熊本、大分、宮崎、鹿児島4県を管轄。「福岡」は福岡財務支局で福岡、佐賀、長崎の九州北部を管轄しています。

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