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独ボッシュ、ソフト・サービスで売上高9450億円へ…CESで披露した戦略全容

独ボッシュ、ソフト・サービスで売上高9450億円へ…CESで披露した戦略全容

CESで講演したタニア・リュッカート氏㊨とボッシュ北米法人社長のポール・トーマス氏

【米ラスベガス=川口拓洋】ドイツの自動車系メガサプライヤーのロバート・ボッシュは6日(米国時間)、2030年代初めまでにソフトウエアとサービスの事業領域で売上高が60億ユーロ(9450億円)以上になると発表した。このうち、売上高の約3分の2が自動車を含むモビリティー関連となる。人工知能(AI)やソフト市場が拡大していることに対応する。ボッシュは同分野を事業基盤に位置付ける。

世界最大のテクノロジー見本市「CES」で6日(米国時間)、ロバート・ボッシュ取締役会メンバーのタニア・リュッカート氏が明らかにした。特にAI分野では、約5000人のスペシャリストを確保し、過去5年間で1500件の関連特許を申請している。同社はさらなる競争力を確保するために全従業員を対象にした研修も推進中。これまでに約6万5000人以上が受講したという。AIに関するスキルを磨き、ソフトやデジタル技術の高度化につなげる。

同社はソフトやAI技術を駆使し、自動車や生活、健康維持など多様な分野で製品やソリューションを展開する。自動車向けではスムーズなブレーキを可能にする機能など運転支援システムに役立てている。

また自動運転の進化のために生成AIの活用も模索する。生成AIが車両を判断し、より高度な道路利用者の安全を確保するだけでなく、生成AIが降雪時などをシステム上に再現し、テストできるなど車両の開発期間の短縮なども見据えている。


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日刊工業新聞 2025年01月07日

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探訪「CES2025」
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