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万博までに174台導入…大阪メトロ、路線バス全車両EV化を加速する

万博までに174台導入…大阪メトロ、路線バス全車両EV化を加速する

万博までに174台導入するEVバス(自動運転実験車)

大阪メトロは2025年大阪・関西万博を機に、電気自動車(EV)バスの運用を加速する。開幕までに174台導入することを決めており、万博会場内外での輸送や、市内の路線バスでの運用拡大に取り組む。自動運転や走行中給電の実証にも着手しており、35年度をめどに500台以上の路線バス全車両のEV化を目指す。

大阪メトロはEVバス運行と合わせて、運行計画作成や車両手配を行う運行管理システム(FMS)と、充電を制御する電力管理システム(EMS)を開発。両システムを連動させ、大規模にEVバスを導入しても円滑な運行と効率的な充電を両立する。路線バスでは23年7月からEVバスを運行しているが、万博で運行本数が一気に拡大する。

万博では会場とパーク&ライド用駐車場を結ぶシャトルバスと、会場内を外周するバスで運行する。関西電力やダイヘン、大林組と共同でEMS活用を技術実証するほか、一部区間の道路にコイルを埋め込み、小型EVバス10台程度に備えたコイルと通電させて充電する走行中給電の技術実証も行う。

路線バスは昼間稼働が多く、充電は夜間に集中する。走行中に充電できれば夜間の充電時のピーク電力抑制につながる。一方、営業所などの充電器をFMSと連動させ、翌日の走行距離見込みや充電残量などから優先順位を付け、運行や充電を最適化する。万博での実証後に充電の出力や速度、コイルの埋設性向上などを改良、28―29年度に大阪市内の公道でも実証する。

自動運転では11月に大阪市内の路線バスでレベル2の運行を始めたばかり。将来のレベル4(特定条件下での完全自動運転)を見据えた実証実験で、25年10月末まで実施する。同時に万博の外周バスでは、小型EVバス3台程度でレベル4での運行を計画する。

日刊工業新聞 2024年12月12日

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