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熟練溶接士が足りない!金属加工の中小企業が初めてロボットを導入した日

<ホーユーウエルディング>従業員25人の町工場が時代の先を行く挑戦
熟練溶接士が足りない!金属加工の中小企業が初めてロボットを導入した日

ロボット導入前①


中小企業にとってロボットが“扱いやすく”なっている


 今回のロボット導入以外でも、ホーユーウエルディングはさまざまな変化を経験してきた。例えばリーマンショック直後の2009年。不況により、それまで順調に伸びていた受注量が急減し、重大な危機に瀕していた。

 そこで創業者の豊枡裕二社長はレーザー加工機とプレスブレーキを新たに導入し、板金部品の一貫生産体制を構築。溶接専業から脱却し、受注機会を広げることで危機を乗り越えた。ロボットの採用は、当時と同じくらい大きな転換点になりそうだ。レーザー加工機などの導入は、結果として大成功し会社の収益拡大につながった。果たしてロボットで同様の成果を得られるか―、今後の展開が見どころとなる。

 ロボットを用いた溶接システムは、自動車関連の大手企業に使われるケースがほとんど。中・小規模のいわゆる“溶接屋”には、あまり普及していないのが現状だ。このためホーユーウエルディングの取り組みは、時代の先を行く挑戦として大きな意味を持つ。

 今回ロボットの導入を支援した高丸工業の高丸正社長は、「今後はこうした事例がもっと増えるはず」と予測する。担い手不足によりニーズが拡大しているのに加え、中小企業にとってロボットが“扱いやすく”なっていることも理由だ。

 「数値制御(NC)装置、パソコン、3次元CADなども始めは大手企業しか使っていなかったが、徐々に使い勝手が良くなり、最終的には中小企業にも普及した。ロボットも同じような流れになるはずだ」という。

オペレーターの育成がカギ


 本格的なロボット利活用時代に向け、「特に中小企業にとってはオペレーターの育成が大事になる」と高丸社長は付け加える。ロボットを本質的な会社の強みにできるかは、運用ノウハウの蓄積次第だからだ。

 ホーユーウエルディングも、今後はロボット関連の人材育成に力を注ぐ方針。「今やロボットは共に働く仲間のような存在。もっとうまく使いこなして、人とロボットが助け合い円滑に協働できるモノづくりを目指したい」と豊枡取締役は先を見据える。
株式会社ホーユーウエルディング
〒664-0842 兵庫県伊丹市森本9-14
TEL072-775-6440
※本ロボットの導入にあたっては、経済産業省の平成26年度補助事業「ロボット導入実証事業」で採択されて、導入されたものです。
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