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【熊本地震】インフラ戻らず不安残し、中堅・中小のモノづくり復旧始まる

生産停止のトヨタは問題究明を優先
【熊本地震】インフラ戻らず不安残し、中堅・中小のモノづくり復旧始まる

土台から落ちた放電加工機(ナカヤマ精密テクニカルセンター)


「いったん止めて問題を明らかにした方がいい」(トヨタ首脳)


 トヨタ自動車は熊本地震発生後、17日時点で約40人の社員を現地に送り復旧支援している。そのトヨタは地震の影響により国内車両組立工場の大半の操業を停止する。トヨタは2月にも愛知製鋼の爆発事故による部品供給停滞を受け6日間、国内すべての車両組立工場を停止したばかり。もちろん事業継続計画(BCP)に対する課題はあるが「いったん止めて問題を明らかにした方がいい」(トヨタ首脳)というトヨタの基本の考え方を実践した結果でもある。

 東日本大震災以降、たびたび起きる大規模生産停止。そのたびに在庫を極力持たないというトヨタ生産方式(TPS)の課題が指摘される。ただトヨタの原則はあくまで「(サプライチェーンはぜい肉のない)“リーン”につないで問題があったらすぐ手を打つ」(幹部)こと。

 愛知製鋼の爆発事故でも今回の熊本地震でも、無理をすれば操業を継続できたかもしれない。しかし問題は、そのときは動いても根本解決を先送りにすることで、後にもっとひどい事態に陥ることだ。トヨタ首脳は「止めないというのは一輪の花をキレイにみせようとすること。トヨタは根を張った花を咲かせようとしている」と表現する。
日刊工業新聞2016年4月19日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
メディア的には一刻も早い操業再開を伝えたいし、一方で生産停止の影響を数字などで報道したくなる。ただ現場は、社員やライフラインの状況、サプライチェーンを一つひとつ点検するという地道な作業を続けている。

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