国内初「グーグル認定」再生スマホ販売、伊藤忠子会社の勝算
伊藤忠商事の子会社で中古スマートフォン流通を手がけるBelong(ビロング、東京都港区、井上大輔社長)は26日、米グーグルと提携し、国内初となる同社認定の再生スマホ販売を開始したと発表した。ディスプレーなどの外観修理に加え、他社品の適用が困難だったバッテリーをメーカー純正の新品に交換して販売する。高品位の再生スマホを安価に提供し、品質にこだわる日本の消費者の中古品ニーズを掘り起こす。
ビロングが運営する中古スマホのオンライン販売サイト「にこスマ」上で、同日からグーグル認定の再生品販売を開始した。グーグルの正規サービスプロバイダーによって整備され、ビロングが品質検査を実施した商品を提供する。
これまで中古スマホでは他社のバッテリーに交換するとエラーメッセージが出ることが多いため、劣化したままのバッテリーが販売拡大のネックとなってきた。ビロングは認定再生品のバッテリーをメーカー純正の新品に交換し、「消費者が気になる部分をバリューアップすることは、見る目が厳しい日本のマーケットにマッチする」(井上社長)とみる。
取り扱うのはグーグルのスマホ「ピクセル」。新品価格が消費税込みで12万4300円以上の「ピクセル7プロ」であれば9万200円から販売するなど、3割前後安い価格での提供を想定する。商品ラインアップや価格は市場の状況などに応じて変更する。
近年は原材料高や円安の影響で新品スマホの価格が上昇しており、中古品への関心が高まっている。MM総研(東京都港区)によると、2023年度の中古スマホ販売台数は前年度比16・6%増の273万台と過去最高となり、28年度には438万台まで増加する見通し。
加えて「環境に配慮した消費行動が中古品の一般化を後押ししている」(同)とみて、資源の有効活用に貢献できる点を訴求する。ビロングは年間数百万台の中古スマホやタブレット端末などの検査・データ消去の実績があり、今後は「認定品を新しい選択肢として提供することで事業を拡大していく」(大野正稔コンシューマ事業部門長)方針だ。
【関連記事】 東レの子会社はなぜ強いのか