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ばんそうこうのような生体情報センサー、転倒・不整脈をスマホで識別

北海道大学など開発
ばんそうこうのような生体情報センサー、転倒・不整脈をスマホで識別

開発したばんそうこう型センサー

北海道大学の竹井邦晴教授と東京大学の中嶋浩平准教授、大阪公立大学の本田智子研究員らは、ばんそうこう型の生体情報センサーを開発した。心電図と呼吸、皮膚の温湿度、活動量を計れる。スマートフォンで人工知能(AI)処理してせきや不整脈、転倒などを識別する。日常の生体データを用いた遠隔診療や疾患の早期発見などに提案していく。

ポリエステルフィルム上に心電図と呼吸、皮膚温度、皮膚湿度を計るセンサーを集積した。人体に密着するために計測が安定する。フィルムには小さな穴を無数に開けて透湿性を高めた。1―2時間高温多湿環境でセンサーを貼っても皮膚のかぶれなどは起きなかった。

ばんそうこう型センサーの装着イメージ

活動量は無線モジュールの加速度センサーで計り、電池は小型リチウムイオン電池(LiB)を利用する。5種類のセンサーデータをスマホで処理した。心電図データからはせきや不整脈、体動を識別、活動量データからは転倒や姿勢を判別できた。精度は8割程度。心拍数や呼吸数、発汗などのデータを組み合わせて判断できる。

スマホでは5秒ほどの遅延が生じるが、解析結果自体はパソコンと遜色ない。センサーを身に着けて出かけられる。医療機関と疾患早期発見の実証実験を進める。自覚症状もない段階で検出できる可能性がある。

日刊工業新聞 2024年10月31日

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