デンソー・日立ハイテク・トヨタ…技能五輪競技、日本選手がさまざまな職種で奮闘
仏リヨンで開催している「第47回技能五輪国際大会」は現地時間13日、競技3日目を迎えた。例年に比べて課題が難しい職種もあれば簡単な職種もある中、69カ国・地域から参加した選手1360人は、それぞれ最終日に向けてラストスパートをかけた。
デンソーの川邉勇斗選手と山下航平選手が出場するロボットシステムインテグレーション。この職種の課題は、電気自動車(EV)バッテリーの組み付けだ。ところが、3日目になり、バッテリーボックスにシーリングを付けたふたをかぶせるという課題が追加された。このタスクは難易度が高く、各国選手はいずれも苦戦している模様だ。
この職種は2022年の特別大会から追加された競技で、クリアは手探りの状況が続く。視察に訪れたデンソーの海老原次郎経営役員は「実際に現場で実用できる技能や技術にすることが大切。大会で磨いた技術力を現場に持ち帰り、皆で一緒にいろいろなものを生み出してほしい」と話した。
一方、「CNC旋盤」では、日立ハイテクの田澤大選手が鉄系と黄銅のモジュールの組み立てに取り組んだ。今大会の課題レベルはそれほど高くないため、平均点が高くなる見込み。それだけに一カ所のミスが命取りになりそうだ。
豊田自動織機の天野玲選手が出場する「構造物鉄工」は風車のような課題が出され、土台が完成して構造物の形になってきた。中国や韓国、フランスが圧倒的な速度で製作し、熟達した技を見せつける。
7職種に8人が出場するトヨタ自動車は、選手が自炊し、夕食におにぎりを作って食べるなど、普段通りの日本食で競技への集中力を高めている。同社の松山洋司総務・人事本部副本部長は「皆ベストを尽くして頑張ってほしい。選手のやり遂げた姿を閉会式でみたい」とエールを送った。
第47回技能五輪国際大会は4日間で25万人の観客を見込む。会場の「ユーロエキスポ」には連日多くの学生が訪れ、通路を歩くのに前が見えないほどのにぎわいを見せている。