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潜在層を発掘…30大学にプログラミング無償講座提供、レバテックが得た効果

潜在層を発掘…30大学にプログラミング無償講座提供、レバテックが得た効果

レバテックでは学生にメンター(手前)を付けて支援する

IT専門職の就職支援サービスを手がけるレバテック(東京都渋谷区、高橋悠人社長)は、無償のプログラミング講座を約30の大学に提供、2023年度で約250人が受講したことを明らかにした。文系や情報系以外の理系で低学年の受講が多い一方、同社サービスを活用し17人がITエンジニアとして就職を決めた。通常講座の一部をウェブでメンター(助言者)を活用して学ぶ仕組みで、IT業界に関心のある潜在層を発掘できると注目される。

レバテックは人材紹介などのレバレジーズの100%子会社。プログラミング言語PHPの基本と、簡単なアプリケーション制作を学ぶプログラミング講座を手がけ、社会人のキャリアチェンジや学生の就職活動で利用されている。

プログラミング講座は3カ月。このうち1カ月約3万円分の無償提供を、22年12月から大学・専門学校向けに始めた。レバテックはIT業界の構造や必要スキルを伝える学内就職セミナーなどで、この無償講座を紹介する。学生にとっては、難易度や費用の点でハードルが低い。

約30の対象大学は地方国公立大や私立中堅大が半分強。情報を専門としない理系学生の受講が目立つほか、未経験だが関心ある文系学生も多い。メンターとして同社のアルバイトが支援し、同社施設での対面も可能だ。無償期間終了後の受講を通常より割安に設定し、就職を決めた後の入社前準備に利用する学生もいるという。

同社の就職支援サービスの23年度登録は、プログラミング未経験者が前年度比1・9倍と伸びている。関心を持つ中高生も増えており、同社は学生への支援を通じてIT業界の人材増につなげたいとしている。

日刊工業新聞 2024年7月4日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
IT専門職の支援をするレバテックのプログラミング講座、3カ月約9万円のものが、最初の1カ月約3万円分の受講が無償で可能」というのは、かなり魅力的です。「学生はいいなあ!」と正直、私もジェラシー(?)を感じます。IT業界は元々、文系出身女性のSE多い文理融合分野です。私のような軟弱理系(数学・物理系でなく化学・生物系)の学生でも、「今の社会ニーズの高さを考えると、キャリア検討の幅を広げるために、講座を試してみようか」と考える絶好の機会だと思いました。

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