清水建設は有害性が指摘される有機フッ素化合物（ＰＦＡＳ）を含んだ汚染土壌の浄化に成功した。米国で独自の土壌洗浄技術による室内浄化試験を行い、ＰＦＡＳ含有量の約９９％を実汚染土壌から除去できることを確認した。今後、米国内に小規模プラントを構築し、処理性能の実証に取り組む計画。米国市場で処理実績を重ねた後、将来は国内でのＰＦＡＳ汚染土壌浄化事業の展開を目指す。

同社の土壌洗浄技術は、汚染物質を土壌の細粒分に集積させる分級手法と、水中の泡の表面に汚染粒子を付着させて分離・回収する泡沫（ほうまつ）分離法（フローテーション）を組み合わせることで、洗浄処理土の浄化品質を最大限高められる。洗浄処理土は埋戻しなどに再利用可能で、焼却などの２次処理が必要な濃縮汚染土を大幅に減容化できるため、処理コストの削減も見込める。

ＰＦＡＳは自然環境で分解されにくく、環境や生体への残留性・蓄積性が問題視されている。製造・輸出・使用の禁止などの規制が世界各国で広まっており、特に米国ではＰＦＡＳ汚染土壌の浄化ニーズが増加している。