社長は新入社員にどんなメッセージを発したか
「バッターボックスに立ち思い切ってスイングを」(トヨタ社長)。日産は「GT―R」を一足早くお披露目
苦境の時、真価問われる
経営不振のシャープは奈良県天理市の事業所で、非公開の入社式を開いた。高橋興三社長は約120人の新入社員を前に「『いたずらに規模のみを追わず』と始まる経営理念を実践できなかったことも経営危機の原因の一つ」と反省の弁を述べた。
傘下入りを決めた台湾・鴻海精密工業にも触れ「成長する東アジアのシンボルというべき存在。社内のあらゆる仕事で国境を越えた連携の機会が生じる」と、提携関係への心構えを求めた。
東芝はグループ主要5社と開いた入社式で、930人の新入社員を前に室町正志社長が「会計処理問題の発生により大変なご心配をお掛けした。心よりおわび申し上げる」と陳謝。
「法令に違反するような売り上げ、利益は一切必要としない」と強調しつつ、「皆さんも当社グループの一員として再生に向け全力で取り組んでほしい」と呼びかけた。東芝単体の新入社員は680人、グループ全体で1800人。単体では来年4月入社の新卒採用見送りを決めた。
免震ゴムの偽装問題が経営を直撃した東洋ゴム工業の清水隆史社長は「当社が起こした問題は、当社に集う仲間にしか解決できない。当社に集う仲間こそ解決できるのだと私は信じている。人は苦境に陥ったときにこそ、その人の真価が問われる」と団結を訴えた。
日刊工業新聞2016年4月4日