人員80%削減…鹿島が開発、締め固め不要な高流動コンクリートの効果
鹿島は鉄筋コンクリート構造物の施工向けに、安価で締め固め作業が不要な高流動コンクリート「LACsコンクリート」を開発した。実工事に導入した結果、作業人数を普通コンクリートで施工した場合と比べて約80%削減、打設時間を同約60%短縮できることを確認した。今後、各現場に導入し、コンクリート打設作業の一層の効率化を進めていく。
新開発の粉末状分散剤をベースとなるコンクリートに添加し、流動性を高めた。またベースコンクリートに混ぜる細骨材の微粒分量を増やし、普通コンクリートと同程度の単位セメント量でも、コンクリート材料の分離を防ぐ材料分離抵抗性を確保した。この細骨材はセメントより安価で、材料単価の大幅な上昇を抑えられる。
東日本高速道路発注の「横浜環状南線公田笠間トンネル工事」(横浜市栄区)の土砂ピットにおける底版コンクリート(約520立方メートル)にLACsコンクリートを導入。その結果、材料分離が生じることなく充填でき、硬化後も所定の品質を確保できることを確認した。
締め固め作業が不要となったことで、普通コンクリートを使うと計9人が必要だった施工を計2人に減らせた。さらに、打設時間を約3時間半短縮できた。
日刊工業新聞 2024年06月17日