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工期短縮・大幅コストダウン…信越化学工業、半導体後工程で新工法

工期短縮・大幅コストダウン…信越化学工業、半導体後工程で新工法

新工法「信越デュアルダマシン法」で加工した断面

信越化学工業は12日、半導体後工程用パッケージ基板を製造する新工法と、その専用装置を開発したと発表した。新工法は「インターポーザー」と呼ばれる中間基板の機能をパッケージ基板に直接盛り込むことができ、工程短縮と大幅なコストダウンを実現する。新装置はデータセンター(DC)やハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)など向け半導体を手がける企業に訴求する。当面は受注生産し、2025年頃の量産を目指す。

新工法「信越デュアルダマシン法」は、高性能なエキシマレーザーを利用し、大面積の電気回路パターンを一括成形する。多層パッケージ基板の各層で複雑なパターンを有機絶縁層の中に掘り込み、銅メッキで回路を形成する。インターポーザーが不要になる。

現在主流のドライフィルムレジストを使用するセミアディティブプロセス(SAP)法では難しかった微細加工が可能になるという。チップレットを用いる先端半導体では、さらなる工程短縮とコストダウンにつながる。

半導体の製造プロセスでは、後工程の重要度が増している。同社は新装置への置き換え可能な市場規模を年間3000億円以上とみており、今後、提案活動を積極化する。


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日刊工業新聞 2024年6月13日

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