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高い生分解性で強度2倍、東北大が和紙複合で新材料

高い生分解性で強度2倍、東北大が和紙複合で新材料

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東北大学のロヴィサ・ロヴァ大学院生と成田史生教授らは、手すき和紙と生分解性樹脂の複合材料を開発した。引っ張り強度は和紙の2倍ほどに向上し、堆肥中では5週間で8割分解した。農業用マルチフィルムなどに提案していく。

宮城県産の手すき和紙と生分解性樹脂のポリブチレンサクシネート(PBS)を組み合わせた複合材料を開発した。和紙を3層、PBSを2層重ねてホットプレスすると、和紙の繊維の間にPBSが入り込む。引っ張り試験では破断強度が和紙やPBS単体の約2倍になった。破断伸びは和紙に比べて5割ほど伸びた。繊維間のPBSがつなぎの役割を果たしたとみられる。

堆肥中では5週間で8割以上が分解され、6週間後にはコンポストと区別がつかなくなった。純水中では6週間後も4分の3程度の引っ張り強度を維持した。堆肥中の分解性が高いため農業用資材などに提案していく。

日刊工業新聞 2024年05月27日

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