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三菱自動車の通期見通し、売上高最高2兆8800億円の背景

三菱自動車は8日、2025年3月期連結業績予想の売上高が前期比3・2%増の2兆8800億円で過去最高になる見通しだと発表した。世界販売台数は同約10%増の89万5000台と予想。タイ、ベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の需要回復や、新型1トンピックアップトラック「トライトン」などの新型車投入効果が寄与する。一方、営業利益は同0・5%減の1900億円とほぼ横ばい。販売台数増による増益効果を見込むが、競争激化による奨励金の積み増しや成長に向けた必要経費などで相殺される。

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当がある場合の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し

成長市場と位置付けるASEANの販売台数は前期比約16%増の27万7000台の見通し。新型トライトンや小型スポーツ多目的車(SUV)「エクスフォース」の受注が堅調だ。

電気自動車(EV)の需要拡大が「いったん踊り場」(加藤隆雄社長)となったタイでは、2月に投入したクロスオーバー多目的車(MPV)「エクスパンダー」のハイブリッド車(HV)モデルが「期待を上回る受注状況」(同)という。

三菱自動車の売上高と営業損益

北米は同約13%増の18万5000台を見込む。「将来に向けアライアンスも活用してラインアップを強化する」(同)とし、協業する日産自動車からのEV供給や、車載電池の共同調達などを模索する考えを示唆した。

持続的成長のため設備投資は同約7%増の1000億円、研究開発費は同約9%増の1250億円を計画する。


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日刊工業新聞 2024年月5月9日

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