CO2排出量実質ゼロ以下…鹿島など、CO2固定・吸収コンクリ実証
鹿島はセイア(東京都港区)、日工、北川鉄工所とともに、二酸化炭素(CO2)の排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリート専用の製造プラントを兵庫県加西市に建設し運用を始めた。CO2の排出量削減や固定・吸収につながる多種多様な材料からなるコンクリートの試験製造が可能。水や電力の使用に伴うCO2排出量を正確に把握できる設備も備えており、排出量の効果的な低減に向けた技術開発が可能となる。
運用を始めたプラントには、練り混ぜ方式の異なる2台のミキサーを装備。また粉体用の貯蔵ビンや混和剤用のタンクを配備するとともに、材料投入フロアに一般的なコンクリート製造プラントにはない材料保管場所を確保した。
また温度や湿度、CO2濃度をさまざまな形で制御できる炭酸化養生設備や、コンクリート製造時に発生する排水(スラッジ水)について高濃度かつCO2を固定した状態で有効利用の検討を行う排水処理設備などを設置。これらの設備を使い、コンクリートにCO2を効率的に吸収させることを検討する。
同プラントでは1月からコンクリート製造時に消費する電力量を把握し、その低減策の検討を開始した。
日刊工業新聞 2024年04月22日