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100点⇒1部品に集約…日産が次世代EV生産に「ギガキャスト」、加圧能力6000トン設備導入

日産自動車は16日、車体構造を一体成形する技術「ギガキャスト」を次世代電気自動車(EV)の生産で導入する方針を明らかにした。新たに加圧能力6000トンの設備を導入し、車体の一体構造化により軽量化やコスト削減を図る。ギガキャストをめぐってはEV大手の米テスラが導入し、トヨタ自動車も導入する方針を打ち出している。EV競争が激化する中、革新技術の導入が活気を帯びてきた。

ギガキャストはアルミニウムダイカストでEVの車体構造を一体成形する技術。鋼板からアルミに置き換えることで軽量化できるほか、部品統合による一体化で高剛性やコスト削減に寄与する。

日産では新規設備を導入し、約1400ミリ×1500ミリメートルのリアフロアーを一体構造化する計画。これにより約100点の部品を1部品に集約できる。試算では重量を鉄と比べて約33%軽量化し、コストも約13%削減できる。アルミ鋳物の接合技術も駆使していく。「これまでシリンダーヘッドやシリンダーブロックで適用されていたアルミ鋳物を車体にも適用していく」(坂本秀行副社長)方針だ。

ギガキャストは欧米や中国のEV生産で部分的に実用化が進む。テスラは約70点の部品で構成していた車体骨格部品をギガキャストにより1点に置き換えた。自動車部品関連企業がギガキャスト関連事業に新規参入する動きも進んでいる。


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日刊工業新聞 2024年4月17日

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