スマホなど向け樹脂多層基板に「100%再生銅箔」…村田製作所が環境負荷低減で競争力高める
村田製作所はスマートフォンなどに採用される樹脂多層基板「メトロサーク」の材料に、リサイクル100%銅箔の採用を始めた。仕入れ先と連携して実用化し、すでに量産を開始した。同社では持続可能な資源利用実現に向けたサプライチェーン(供給網)構築を進め、環境意識の高まる中、電子部品メーカーとしての競争力向上につなげる。
リサイクル100%銅箔の採用は、仕入れ先である銅箔メーカーなどと連携し、既存製品にリサイクル品を適合させることで実現した。環境負荷低減を表示する環境ラベルの国際規格であるISO14021は取得済み。
メトロサークは樹脂材料と銅箔を貼り合わせたシートを必要な層だけ重ねて一括プレスした多層基板。柔軟で高強度な高機能樹脂を採用したことで曲げ加工にも対応し、必要に応じて基板を3次元形状に加工でき、スマホ向けなどを中心に採用が拡大している。
村田製作所では主力製品の積層セラミックコンデンサー(MLCC)でも、製造工程で使うポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの水平リサイクルを実施している。世界的な環境意識の高まりを背景に、部品レベルでの環境負荷低減を進めており、事業所での再生可能エネルギー電力の利用なども進めている。
日刊工業新聞 2024年04月16日