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PPC・住友金属鉱山・三菱マテリアルは銅増産…非鉄8社、24年度上期地金生産計画の全容

PPC・住友金属鉱山・三菱マテリアルは銅増産…非鉄8社、24年度上期地金生産計画の全容

型銅(PPC公式ホームページより)

非鉄大手8社の2024年度上期(4―9月)の地金生産計画がまとまり、銅は6社合計が前年同期比4・2%増の81万5217トンとプラスの見通しとなった。定期炉修を実施しないなどの理由により、6社のうち3社が増産を見込む。24年度は自動車や半導体関連の需要が回復し伸銅品の引き合い増が予測されることから、各社は安定供給に努める。(岡紗由美)

非鉄大手8社の2024年度上期地金生産計画

銅の増産を予測するのは、パンパシフック・カッパー(PPC、東京都港区)、住友金属鉱山、三菱マテリアルの3社。PPCは同1・3%増の31万2300トンを計画する。日立事業所(茨城県日立市)で使用していなかった一部の電解槽の改修工事を23年度に終えたことにより、生産量の増加を見込む。

住友金属鉱山は前年同期比21・1%の増加となる見通し。23年9―11月に電気銅などを製造する東予工場(愛媛県西条市)で主要設備の大型補修を行っており、その反動増もある。三菱マテリアルは24年度上期に定期炉修を予定しておらず、同1・8%増の22万4094トンとなる見通しだ。

これに対し、DOWAホールディングス(HD)は同77・5%減と大幅減を見込む。小名浜製錬(福島県いわき市)との委託製錬契約が終了したことが影響する。古河機械金属も同じ理由で、同6・7%減と減産を見通す。

また、亜鉛の生産計画は全3社中、三井金属とDOWAHDが増産を計画する。DOWAHDは子会社が国内最大の亜鉛製錬所を持つ秋田製錬(秋田市)を完全子会社化したことを材料に、同26・8%の増産を見込む。

金は全7社中3社が増産、銀は全8社中3社が増産を予測する。三菱マテリアルは受け入れ可能な原料の処理量が増えることから、金が同49・1%増、銀は同2・9%増を予定する。

一方、住友金属鉱山は「海外から輸入する銅精鉱で金・銀の含有率の減少が見込まれる」と想定。生産量は金が同14・7%減、銀は同15・3%減を計画する。DOWAHDも原料品位の高低が影響するとみて、金銀ともに減産を見込む。

日刊工業新聞 2024年4月11日

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