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商社が「モノづくり」拡大…岡谷鋼機が設備投資150億円

商社が「モノづくり」拡大…岡谷鋼機が設備投資150億円

日鉄電磁岡谷加工のコイルセンター(イメージ)。電磁鋼板を加工する

岡谷鋼機は2025年2月期の設備投資を前期比2・1倍の150億円に引き上げる。システムの刷新費用などのほか、国内の工場設備の投資は同4倍を予定する。同社は商社を生業としているが、自ら工場を持ち製品を加工する「モノづくり」に事業領域を広げている。時代に合わせた成長の芽を育てている。(名古屋・川口拓洋)

※自社作成

25年2月期の設備投資のうち工場設備は海外で前期比2・2倍の9億円、国内で同4・0倍の23億円を予定。生産性向上やデジタル化のためのシステム関連費も同4・0倍の37億円を見込む。

国内工場の設備投資には、グループ会社の日鉄電磁岡谷加工(名古屋市港区)が24年下期にも竣工する「コイルセンター」に関する費用も含まれている。同工場では自動車の電動化進展を見据えて電磁鋼板の加工を行う。

岡谷鋼機は1669年創業で350年を超える歴史を持つ名古屋市の老舗企業。自動車や建材など向けの「鉄鋼」、半導体や家電向け部品を扱う「情報・電機」、機械設備や工具などを提供する「産業資材」、食肉や水産物を取引する「生活産業」の四つを事業の柱に据えている。

主力は商社としての機能ながら、近年は日鉄電磁(愛知県あま市)との共同出資で日鉄電磁岡谷加工を立ち上げるなど「モノづくり」に本格的に取り組んでいる。22年にはロボットや生産設備を設計・製造する新エフエイコム(栃木県小山市)をグループ化。24年内にプロテリアル(旧日立金属)から配管機器事業も取得する。このほか人工知能(AI)を活用し、鋼材切断機で使用する帯鋸刃のひび音を検知するシステムの開発・販売も始めた。

「全方位的に戦略を考えていかなければならない。攻めるところを都度判断し、過去も見ながらバランスを取る」。岡谷鋼機の岡谷健広社長は事業戦略をこう語る。元々、「ものつくりに貢献するグローバル最適調達パートナー」をあるべき姿として掲げる同社だが、既存の事業基盤に付加価値を積み上げるためモノづくりにも活路を見いだす。

24年2月期連結決算で過去最高となる売上高1兆1119億円を記録した同社。ただ、岡谷社長は喜びながらも「今の延長ではいけない。時代も仕事も変わっている」と危機感を募らせる。積極投資を通じて、長年事業を継続してきた同社の強みである「変化への対応力」をさらに磨く構えだ。

日刊工業新聞 2024年04月10日

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