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鉄道車両部品を再利用、京急が業界初のリノベマンション

鉄道車両部品を再利用、京急が業界初のリノベマンション

引退した車両の座席と網棚を使ったワークスペースの一角

京浜急行電鉄は鉄道業界で初めて、引退した鉄道車両の部品を活用したリノベーション分譲マンション「プライムフィット横浜富岡」(横浜市金沢区)の販売を開始した。築28年の鉄筋コンクリート造で地上6階建ての企業社宅をリノベーションしたもので、1階の共用スペースに京急線の座席や網棚、車側灯などを使用した。

ワークスペースの一部には座席を活用したベンチの上に網棚を配置し、電車の車内を再現した。同スペースの個室3室は昭和末期の製造年などを刻んだ車両銘板を飾っている。

使用済み部品のため京急が責任を持って管理を行う関係から、居住者の専有スペースには使っていない。

企画を担当した生活事業創造本部すまい事業部の齋藤健介主査は入社4年目で、入社したころからアイデアを温めてきた。「京急のモノづくりを知るきっかけになれば」と期待する。商業施設などに置いても注目を集めそうだ。

近年、客室に運転シミュレーターや車両部品を設置し、電車の魅力を体感できるホテルなども増えている。資源を有効利用しつつ、ファンを増やす取り組みが広がっている。

日刊工業新聞 2024年03月16日

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