CO2吸収コンクリと3D造形融合…鹿島と金沢工大が開発したベンチのデザイン
鹿島と金沢工業大学は共同で、建設分野向け3次元(3D)プリンティングと二酸化炭素(CO2)吸収コンクリートの技術を組み合わせた「カーボンネガティブ3Dプリンティング」を用いて公共用ベンチを製作した。両者は今後も生産性向上やカーボンニュートラル(温室効果ガス〈GHG〉排出量実質ゼロ)実現に向けて二つの技術を融合させた公共物の研究開発を進め、早期の社会実装を目指す。
型枠なしで複雑な形状の造形物を製作できる3Dプリンティング技術と、部材の表面からCO2を吸収して固まる環境配慮型コンクリート「CO2―SUICOM」を組み合わせて製作した。3Dプリンターでベンチ脚部をヒダ形状とし、空隙がないベンチと比べ表面積を約1・7倍に増大。これによりCO2との接触面積を増やし、CO2吸収割合を2倍以上に向上させた。
製作したベンチは全長5メートル×幅0・7メートルで、金沢市内の公園(外濠公園二号地)に設置した。金沢にゆかりのある加賀友禅の製作工程の友禅流しをモチーフとしており、波型形状の座面に白色系の塗装を施したほか、ベンチ脚部には褐色系のカラーモルタルを使用することで暗めのトーンとした。
日刊工業新聞 2024年4月4日