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CO2を7割減、鹿島が開発した環境配慮型コンクリートドーム施工法の実力

CO2を7割減、鹿島が開発した環境配慮型コンクリートドーム施工法の実力

試験施工したCUCO―SUICOMドーム

鹿島は13日、二酸化炭素(CO2)の大幅削減につながる環境配慮型コンクリートによるドームの施工法を開発したと発表した。低炭素型コンクリートやカーボンネガティブコンクリートを使い、短納期・低コストの躯体構築技術と組み合わせた「CUCO―SUICOMドーム」を、同社技術研究所(東京都調布市)の隣接地に構築。従来のコンクリートと比べ、CO2排出量を約70%削減できることを確認した。

同ドームは楕円形で、高さ5・45メートル、直径は23×18メートル。まずドーム型のポリ塩化ビニール膜に空気を送り込んで膨らませ、これを型枠として内側に配筋を行い、コンクリートを吹き付けることで躯体を構築する。

躯体のコンクリートには、低炭素型コンクリート「ECMコンクリート」とカーボンネガティブコンクリート「CUCO―SUICOMショット」を採用。CUCO―SUICOMショットの炭酸化養生を行うことで、CO2を安定的な形で吸収・固定した。

このほど、同社技術研究所の隣接地で試験施工を完了。CO2削減効果を確認したことを踏まえ、4月から大阪・関西万博の会場で同規模のドーム建設に着手する。

日刊工業新聞 2024年03月14日

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