鹿島が開発、多様なドーム型構造体が構築できる新工法の全容
鹿島は米ドーム・テクノロジーと技術提携し、多様なドーム型構造体が構築できる「KTドーム」工法を開発した。工場で製作したドーム型ポリ塩化ビニール(PVC)膜に空気を送り膨らませ、内側からコンクリートを吹き付けて躯体を構築する工法。施工中に天候の影響を受けにくく、従来工法に比べて工期の短縮や建設コストの低減が可能となる。
鹿島は2020年3月、同工法を使い同社西湘実験フィールド(神奈川県小田原市)でドーム型事務所棟を国内で初めて建設した。21年6月からトクヤマ南陽工場(山口県周南市)の貯蔵サイロ建設工事にも適用し、このほど膜を膨張させて約1時間で直径27・5×高さ28メートル、貯蔵量が約1万トンの大空間を創出した。今後は内部の躯体を施工し、22年5月にドーム躯体工事を完了する予定。
鹿島は同工法の活用範囲を広げ、アリーナや体育館などさまざまな用途の建物に展開していく方針。
日刊工業新聞2021年12月28日