ニュースイッチ

防衛省が宇宙関連ベンチャーと連携する狙い…宇宙安全保障を強化

防衛省は安全保障のための宇宙システム開発で、新興ベンチャーとの連携を強化する。宇宙関連の研究開発プロジェクトを新興2社に相次いで発注。国産の宇宙関連技術の育成と底上げを図るのが狙いだ。新興ベンチャーとの連携について、防衛省担当者は「国家安全保障戦略や宇宙安全保障構想で国産企業のサプライチェーン(供給網)を強化する精神にも合致する」と話す。

宇宙領域活用技術の実証衛星試作をQPS研究所に発注したのに続き、有事の場合に長距離ミサイルなどを早期に検知できる小型ロケットの能力向上研究を、スペースワン(東京都港区、豊田正和社長)に発注した。発注額はそれぞれ56億4900万円と85億円。研究期間は2028年5月までと同年3月までの5年弱を予定する。

スペースワンに発注した小型ロケットの能力向上研究は、複数の衛星を宇宙空間に配置する「衛星コンステレーション」の構築を視野に入れており、ロケットが打ち上げられる衛星の重量増加と、目標軌道への衛星投入の高精度化が狙い。同社はメタンエンジンを含むロケットの上段部分の能力向上に関係する試作と燃焼試験の研究を進める。QPS研究所が受注した試作衛星も、衛星コンステレーション関連。ミサイルの飛翔状況などを宇宙空間から追跡監視する衛星同士のデータのやりとりや、衛星の処理能力向上に必要な技術を検証する。

防衛省は2月にシンガポールで開催されたアジア最大の航空ショーでスカパーJSAT、ジュピターコーポレーション(東京都港区)の宇宙関連企業とブース出展している。航空自衛隊も虎ノ門ヒルズビジネスタワー(同)に民間のベンチャー企業と交流する宇宙協力オフィスを開設した。宇宙空間の優勢は次世代の戦いの勝敗を握るとされており、各国とも自国企業の育成に躍起となっている。

日刊工業新聞 2024年03月13日

編集部のおすすめ