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三井E&Sが世界初、大型舶用エンジンで「水素燃焼運転」成功

三井E&Sが世界初、大型舶用エンジンで「水素燃焼運転」成功

テスト機関での水素燃焼

三井E&Sは7日、独MANエナジーソリューションズSEと共同で、大型舶用エンジンでの水素燃焼運転に世界で初めて成功したと発表した。玉野工場(岡山県玉野市)でシリンダー直径50センチメートルの舶用2サイクルテストエンジンを水素で燃焼させた。海運業界の温室効果ガス(GHG)削減に貢献する水素エンジン実用化に向けた取り組み。

テストエンジンのシリンダー4本のうち1本を水素燃焼用に改造して水素を供給し、燃焼させた。水素漏えいなどの不具合がなくテストエンジンを100%の負荷で運転できた。

水素燃料は着火しやすく、適切に燃焼制御する必要がある。シリンダーの95%相当の熱量を水素燃料でまかない、他のシリンダーと同等の燃焼圧力波形を得られた。既存エンジンのデザインをベースに水素を安定的に燃焼し、高圧水素を安定供給できると確認した。

国土交通省の補助事業を活用し、2023年10月に水素ガス供給設備を完成させていた。今後は水素燃焼のシリンダーの本数を増やし、燃焼量を大容量化する方針。

日刊工業新聞 2024年03月08日

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