新卒博士の初任給引き上げ、日本触媒が人材の獲得強化
日本触媒は博士後期課程修了者の新卒定期採用時の初任給を現行比4万3600円増額の32万3000円に引き上げる。4月入社の社員から適用する。博士人材の獲得強化の一環。新卒定期採用時の処遇を改定することで、新たな価値を創出する専門性と課題設定力、解決に向けた実行力を持つ博士人材の継続的な確保につなげる。これまでは研究開発や生産技術の新卒定期採用者のうち博士人材は1割未満だったが、早急に2割程度に引き上げることを目指す。
博士人材の獲得を各企業が強化し、獲得競争の激化が予想されるなか、同社は今回の初任給引き上げのほか、博士人材の採用を2023年7月から通年採用に切り替えている(ただし、入社は毎年4月1日)。また、23年度から現役社員と博士人材の交流にも力を入れるなど、博士人材の獲得強化に取り組む。成長分野へ変革を加速するため、データサイエンスやマテリアルズインフォマティクスの分野での博士人材の活躍を想定し、新規事業や新規製品の創出加速を狙う。
日本触媒は社員のうち研究開発職が約4分の1を占め、研究開発職や生産技術職の人材の高度専門化に力を入れている。
日刊工業新聞 2024年03月05日