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“ロボット販売員”が接客…デンソーが探る生成AIの可能性

“ロボット販売員”が接客…デンソーが探る生成AIの可能性

会話に応じて商品を紹介する生成AIロボット

デンソーが生成人工知能(AI)を搭載したロボットの可能性を探っている。このほど名鉄生活創研(名古屋市中村区)が運営する土産店「名鉄商店」(同)で、“ロボット販売員”による接客デモンストレーションを実施した。顧客との会話を通じて個人の要望に沿った商品を提案する。与えられた情報からロボット自身が行動を決定できる特徴を生かし、製造業では少量多品種生産への活用を思い描く。(名古屋・増田晴香)

デモは1月13、14の両日に実施した。使用した生成AI搭載型ロボットは、決まった動きを繰り返す従来のロボット制御とは異なり、与えられた情報を基にロボット自身が状況を理解・判断して行動を決める。

名鉄商店では愛知県や岐阜県の事業者と協業して開発したオリジナル商品を販売する。ロボットが「寒いのが好きですか」「初めてのご来店ですか」などの質問を投げかけ、来店客の答えに応じて商品を提案する。何をどのような順番で紹介するかは開発者でも分からない。

名鉄生活創研の佐藤諒事業開発担当係長は「商品の名前や特徴だけでなく、必要のない時は説明をやめるなど最適な接客も判断できる」と、接客レベルの高さに手応えを示す。

デンソーは2023年4月から生成AIロボットの技術の開発に取り組んでいる。「人とロボットの共生」を目指し、工場や飲食店など幅広いユースケースを想定する。今回のデモのほか、バーカウンターでの飲料提供やプレゼンテーションの支援などの実証も行った。

生産現場では、開発期や衰退期にある製品の少量多品種生産などで活用できるとみている。

経験が少ない人材にはロボットがアドバイスをしたり、知識や判断能力はあるが作業が難しい人材の代替で作業を実行したりするなど、相互に補完し合うイメージだ。

クラウドサービス開発部の佐藤正健担当係長は「人が人らしく働けるような現場になるのでは」と期待を込める。


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日刊工業新聞 2024年02月05日

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