半導体・通信の回復遅れ…京セラが通期予想を下方修正
京セラは1日、2024年3月期連結業績予想(国際会計基準)の売上高と営業、税引き前、当期利益を下方修正した。主力の半導体関連や情報通信関連市場の需要回復が足踏みしており、売上高を23年11月公表値比500億円減の2兆円(前期比1・3%減)、営業利益を同250億円減の950億円(同26・1%減)に引き下げた。受注減少に伴う生産設備の稼働率低下も響いた。
半導体関連市場について谷本秀夫社長は「各ユーザーの在庫調整が想定より進まず、末端需要が伸びなかった」と説明。特にデータセンター(DC)向け先端半導体の有機パッケージが落ち込んでおり、需要回復時期は25年3月期後半を見込む。
一方で自動車向け部品事業は好調に推移。認証不正による自動車の生産・出荷停止などが相次いでいるが、谷本社長は「全体から見るとまだ大きな影響は出ていない。最終的には売上高ベースで数十億円程度の影響で済むのでは」と話す。
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日刊工業新聞 2024年02月02日