東芝、キヤノンと共同開発の次世代露光装置を17年度から半導体メモリー量産に導入

転写技術でコスト削減。再建の柱に

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半導体製造は一層の製造コスト削減がポイント(三重県四日市市の東芝四日市工場)
 東芝は2017年度にも、キヤノンと共同開発した次世代半導体露光装置をNAND型フラッシュメモリーの量産ラインに採用することを決めた。「ナノインプリント露光(用語参照)」技術を使った装置で、量産での利用は電機業界初。東芝はメモリーの製造コスト低減の切り札と位置づけ、経営再建の柱であるメモリー事業の収益力向上につなげる。キヤノンはナノインプリント露光装置を次世代の主力事業に育てる

 東芝は17日に建設を発表した新工場(三重県四日市市)にナノインプリント露光装置を導入する。記憶素子を積層する3D(3次元)構造NANDメモリー生産の露光工程の一部で活用する。

【用語】ナノインプリント露光=回路パターンを彫り込んだ型を半導体ウエハーに押しあてて転写する技術。光で回路パターンを焼き付ける既存技術に比べ、高精度レンズなどが不要で装置価格が安い。また転写精度が高く回路線幅の微細化を進めやすいメリットもある。一方、回路パターンの一部が壊れる欠陥などの課題があり量産工程での実用化が難しかった。
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日刊工業新聞2016年3月18日1面

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

キヤノンの露光装置事業からの視点でみると、先端のフッ化アルゴン(ArF)液浸露光装置の開発につまずき、オランダのASML、ニコンとの競争にさえ加われない状況が続いる。古い技術であるi線装置ではシェア6割弱を握るが、市場規模の大きい先端分野に参入できていない。事業の売上高は2015年で1240億円に留まる。当面、ナノインプリント装置の導入台数はそれほど多くはなく、ハードルは高いが、御手洗CEOは「(ナノインプリント装置で)半導体製造業界の勢力図を一変させることも夢ではない」という。

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