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現代金箔の技術を再現…あえて半自動化した理由

AISE(ダイセー、金沢市、大久保龍司社長)は、職人の高齢化が進む「現代金箔(きんぱく)」の工程のうち「断切(たちきり)」の技術を再現した「半自動箔裁断機=写真」を石川県箔商工業協同組合(同市)の要請を受けて開発した。現在はテスト段階で加工後の品質も確認し、12月中に同組合に納品する。工程のうち、切断加工の部分のみを自動化する“半自動化”で、従来の全自動化した裁断機より価格を抑えた。

同社は過去にも全自動タイプと手動タイプの裁断機をそれぞれ開発したが、全自動は高額、手動は作業疲労度が高いという課題があった。今回、新たに切断加工の動作のみにモーターを使用することで、これらの課題を解決した。

電源は単相100ボルトで、レバースイッチを下げれば、金箔と箔打ち紙を幾重に重ねた四角の積層体の縁を切断して仕上げる。切断刃は最下部に到達すると自動で運転停止するようにして安全性を確保した。加工速度はモーターの最高出力である毎分3000回転まで上げられるが、金箔にダメージが残らない程度に無段変速で調整できる。

また、モーターユニットは容易に取り外せ、メンテナンスが必要な場合には、ハンドルを取り付けて手動に切り替えられるよう工夫を凝らした。さらに加工対象の積層体は上部からの圧力で位置決めするが、下部に木製合板を敷くことで加工時のダメージを抑えるようにした。

日刊工業新聞 2023年12月21日

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