水素100%燃料の家庭用給湯器、ノーリツが市場投入へ
ノーリツは水素100%を燃料とする家庭用給湯器を開発した。水素社会への移行期に当たり、ガス流量調整部品とソフトウエアの切り替えで、従来の都市ガスと水素の切り替えができるようにした。また水素燃料では難しかった少量から大量までの安定した湯の供給を実現した。2025年以降に日本で市場投入する。また欧州や豪州で主に使われる排気方式の水素給湯器も開発を進めており、25年以降の市場投入を目指す。
水素の安全上の課題として炎が逆流する「逆火」が上げられるが、バーナーに水素の燃焼速度に対応した目の細かい金属繊維を採用し、逆火を検知するセンサーを搭載するなどした。逆火対策と大量の湯の供給はトレードオフの関係にあったが、水素と空気を混合する性能を向上する通路開発などで対応した。
今回開発した給湯器は3―5人世帯で、浴室や台所、洗面所のすべてで湯を使っても不自由なく使用できる能力という。
ノーリツが排出する二酸化炭素(CO2)は、給湯器を含む販売した製品の使用時が約96%を占める。リンナイも脱炭素において同様の課題を抱えており、22年に水素燃焼技術を搭載した家庭用給湯器を開発した。
日刊工業新聞 2023年12月18日