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ロボット組み立てで米に新工場、安川電機がエンジニアリング増強

ロボット組み立てで米に新工場、安川電機がエンジニアリング増強

安川電機は米オハイオ州にロボットシステムの新工場を建設する(既存の工場)

安川電機は米オハイオ州にロボットシステムの新工場を建設する。米国における製造業の国内回帰の動きや、インフレによる人件費高騰対策などを背景に、ロボットを活用した自動化の潜在需要が大きいと想定。日本から輸出したロボットを組み上げて顧客の現場に提供するロボットエンジニアリング拠点の強化が必要と判断した。2024年6月の完成を計画する。

安川電機はオハイオ州マイアミズバーグ市でロボットシステム工場を11年から運営している。新工場の土地は取得済みで、既存工場に隣接する形で建設する。投資額は約30億円。作業スペースの延べ床面積は約2万平方メートルで、既存工場との合算で約4万平方メートルに増える。現在の従業員は約400人だが、約70人の新規雇用も予定。新工場建設による能力向上の詳細は明らかにしていない。

同社の23年3―8月期連結決算(国際会計基準)における米州の売上高は前年同期比20・8%増の636億円。連結売上高に占める地域別の割合は2ポイント上昇して22%となり、中国市場(24%)に肉薄している。

今後も米国では人件費高騰や労働力不足などを背景に、底堅い自動化投資が進むと想定する。また、ロボットを導入する産業が自動車業界に限らず、半導体や医療、食品、物流などの幅広い領域に広がるとみる。ロボットを活用したシステムの設計・開発、改修などを実施する拠点を強化することで、顧客満足度を高め、確実な収益につなげる構え。

安川電機は26年2月期を最終年度とする中期経営計画を5月に発表。小川昌寛社長は「グローバルでは、米国への投資を強化してプレゼンス(存在感)を高めたい」と米国市場を強化する姿勢を打ち出していた。今回の新工場への投資についても「米国でのコミットメントを高めて事業を強化していくための序章に過ぎない」とする。


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日刊工業新聞 2023年11月22日

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