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自動車販売に脱炭素広げる、業界団体が全販社の「温室効果ガス」排出量把握

自動車販売に脱炭素広げる、業界団体が全販社の「温室効果ガス」排出量把握

自動車販売業界全体に脱炭素の取り組みを広げる(イメージ)

日本自動車販売協会連合会(自販連)は、会員企業である自動車販売会社が事業活動で排出する温室効果ガス(GHG)排出量の削減を支援する。GHG排出量の算出ツールを展開するゼロボード(東京都港区)と連携し、2024年3月末をめどに約1400社ある会員の販売会社すべてのGHG排出量の把握を目指す。把握したGHG排出量を基に、2―3年内に排出量削減計画を策定してもらい、連合会全体の脱炭素化につなげる。

自販連の会員の販売会社ではすでに4割程度がGHG排出量を把握しており、削減計画の策定に取り組んでいる場合もある。排出量を把握していない会員に取り組みを広げるため、導入しやすい排出量算出ツールを活用する。ツールはゼロボードが展開するGHG排出量算出のクラウドサービスを、自販連会員企業向けに調整して提供を始めている。10月の実績からツールを導入した会員が入力を始める。

温室効果ガス排出量把握の難易度

入力データは「スコープ2」と呼ばれる、購入した電気などの使用に伴う間接的な排出量が中心となる。当初の導入会員数は約300社、6000拠点程度となる見通し。

把握した排出量を基に、自販連、東京海上日動火災保険、現代文化研究所(東京都千代田区)、ゼロボードが連携して、排出量算定ツールの有効性などを分析、研究し、今後の取り組みに生かす。この研究のために自販連会員にはツールを2年間無償で提供する。

自販連は会員に対し、把握した排出量を基に2―3年内に環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証を取得するよう促し、GHG排出量の削減計画を策定してもらう。同認証を取得することで、会員には電気代などの効率化や金融機関から低金利融資を得るなど経営改善につなげてもらい、合わせて自動車販売業界に脱炭素の取り組みを広げる考えだ。

日刊工業新聞 2023年10月10日

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