目指すはアップルのような「作りこみ」

　目算違いがあったとすれば、教育向け事業に参入する目安でもあった小中学校におけるＩＣＴ環境整備の遅れ。全国の公立学校において、電子黒板やタブレット端末などを利用したＩＣＴ環境の普及は当初の見込みよりかなりスローペースで進み、当然需要も伸び悩んでいる。その一方で製品への評価は着実に上昇し、学習塾などの民間教育機関、大学の教育学部、さらに企業が会議用として導入する動きが続く。ユーザーの割合は「小学校と学習塾、そして大学の教育学部や企業向けが３分の１ずつ」だという。

　同社はいま、新製品の開発を活発化している。大学や企業向けに特化したｅトーキーの改良版や、一度に３００人が利用でき、大規模講義や学会、セミナーにも対応する画期的なシステム。さらに、次世代の授業と目される「反転学習」向けにも取り組む。「将来はビッグデータを解析・評価できるシステムも当然考えていかねば」と目標は明確だ。

　ただ、岡社長に、今後最も力を入れたいことを尋ねると、「もっと作り込んだ製品づくり」との答えが返ってきた。最終的に目指すのは、米アップル社製品のように独自のポリシーを持ち、ユーザーにとってもすばらしく使いやすいシステムを送り出すこと。これからは「人も増やし、何より会社として組織力が発揮できる体制の構築を図る」ことを通じて、製品の完成度を一段と高めていく。

＜会社概要＞　
株式会社トーキーシステム
所在地　岡山県岡山市北区津島中１－１－１　岡山大インキュベータ２０６室
設立　２０１２年　　
事業内容　ｅラーニングシステムの開発・販売、デジタルサイネージシステムの開発・販売、その他。
http://talkie.co.jp/

岡山大インキュベータのサイト
http://www.smrj.go.jp/incubation/od-plus/