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空間分解能1.4倍の超解像二光子顕微鏡、自然機構生命創成探究センターが開発

空間分解能1.4倍の超解像二光子顕微鏡、自然機構生命創成探究センターが開発

新手法で観察した神経樹状突起(自然科学研究機構提供)

自然科学研究機構生命創成探究センターの石井宏和助教と根本知己教授らは、空間分解能を1・4倍に向上させた超解像二光子顕微鏡を開発した。生体組織のスライス標本など厚みがあり、ノイズの多かった試料を観察できる。実験では神経細胞の微細構造を撮影することに成功した。生命現象の理解や創薬研究の加速につながる。

二つの光子を蛍光分子に吸収させて光らせる二光子顕微鏡の解像度を誘導放出制御(STED)という手法で向上させた。光源にはパルスレーザーを用いる。二光子励起とSTEDに必要な2種類のパルス光源を10ピコ秒(ピコは1兆分の1)の精度で同期させて撮影した。これにより光量を抑えられ、試料の損傷を防げる。

さらに高精度同期できているため蛍光信号の時間変化を計測すると、蛍光信号と試料のノイズを分離できる。実験では厚みのあるマウス脳スライス標本を撮影し、空間分解能が1・4倍に向上した。今後、生体深部の観測や生きた組織の観察に展開していく。

日刊工業新聞 2023年09月06日

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