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マイクロ波でニッケル製錬、石炭燃焼の代替へ技術開発

マイクロ波でニッケル製錬、石炭燃焼の代替へ技術開発

大平洋金属の熱処理プロセスで使用するロータリーキルン

マイクロ波化学と大平洋金属は23日、マイクロ波を利用したニッケル製錬技術で共同開発契約を締結したと発表した。ニッケル鉱石製錬時の熱処理プロセスで、石炭燃焼によるエネルギーを使っていたものを電気で発生するマイクロ波に置き換える。二酸化炭素(CO2)排出量削減や、省エネルギー化につなげる。2030年度をめどに実機導入を目指す。

ニッケルはステンレス鋼や電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリーなどに必要な金属。大平洋金属ではニッケル鉱石製錬時に、鉱石に含まれる結晶水を高温で完全除去するための熱処理プロセスの際に従来は石炭を燃焼させてエネルギーを発生させていた。23―24年の間にマイクロ波を用いて1時間当たり約50キログラムのニッケル鉱石を処理できる小型実証設備をマイクロ波化学に設置し、スケールアップに向けた試験を行う。

両社は22年からラボで検討しており、CO2排出量を大幅に削減できることなどを確認。30年度までには1時間あたり140―150トンほど処理できる実機を導入することを目指す。

大平洋金属はニッケル鉱石が主原料の鉄とニッケルの合金でステンレス鋼の原料になるフェロニッケルを国内で製造している。

日刊工業新聞 2023年08月24日

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