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愛知製鋼は上方修正…特殊鋼6社の業績で格差が開きそうな理由

愛知製鋼は上方修正…特殊鋼6社の業績で格差が開きそうな理由

大同特殊鋼渋川工場の特殊溶解設備(同社公式Xより)

特殊鋼6社の2024年3月期連結業績予想は、愛知製鋼(国際会計基準)が全利益段階を上方修正し、日本高周波鋼業は当期黒字の見通しを公表した。6社の間では事業内容や海外展開の度合いから、格差が開きそうだ。特殊鋼は主力の自動車向けで緩やかな回復を見込む一方、欧州の景気悪化や電力代高騰といったリスクを抱える。コスト上昇分の適切な価格への反映と、高収益分野を強化することが課題となっている。

24年3月期の経常利益(税引き前当期利益を含む)で、増益と減益を予想する企業が半々というのは前回公表時と変わらない。

大同特殊鋼はステンレス鋼が上期に供給網での在庫調整が継続するものの、下期以降は売上数量増を見込む。徹底したコスト削減努力を続けて適正マージンの確保に努める。

山陽特殊製鋼は4月予想から売上高を80億円引き下げた。特殊鋼需要の回復が遅れており、子会社の欧オバコを含め売上数量を下方修正したため。在庫評価影響など一過性の要因を除く実力値の利益は前期並みを目指す。

愛知製鋼は営業利益と税引き前当期利益を各30億円、当期利益を20億円引き上げる一方、売上高は60億円下方修正した。鉄スクラップやエネルギー価格が想定ほどは上がらないとして増益を見込む。

三菱製鋼は4―6月期、北米の材料費上昇の影響などでバネ事業が赤字を計上。今後は一層の売価転嫁が進み、特殊鋼事業も利益が改善しそうだ。

日本高周波鋼業は24年3月期の売上高予想を10億円下げたが、非公表だった当期損益は子会社土地譲渡益で75億円の黒字(前期は1億5000万円の赤字)との予想を示した。

東北特殊鋼は原材料やエネルギー価格の動向が不透明だとして期初予想を据え置いた。

日刊工業新聞 2023年08月11日

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