遠隔地からゲーム感覚でゴミ選別、AI精度向上にも
Rita Technology(リタテクノロジー、東京都新宿区、上野光陽社長)は、遠隔地からゲーム感覚でゴミを選別するオンラインシステムを開発した。楽しい操作感にこだわり、中間処理など選別工場の人手不足解消を目指す。同社が開発したゴミ選別人工知能(AI)の精度向上にも役立てる。2033年ごろまでに国内のゴミ選別装置500台での導入拡大が目標。価格は個別見積もり。
リタテクノロジーは、破砕機製造のウエノテックス(新潟県上越市)の完全子会社として18年に設立。ウエノテックスが19年に発売したAI搭載型廃棄物自動選別ロボット「URANOS(ウラノス)」でソフトウエア開発を手がけた。ウラノスは国内で3台納品実績がある。
新システムでは、ベルトコンベヤーで流れてくるゴミの画像をタブレット端末などに表示する。人がプラスチックや木くずなどの種類を見極めて選別し、操作すると、工場のロボットアームが動く。ラインを都度停止して操縦者に画像を送信する現状のデータ量であれば、Wi―Fi(ワイファイ)など通常の通信回線で使用可能という。
従来のゴミ選別AIも、画像や近赤外線で種類を認識する。だがゴミが重なった場合や、内部にリチウムイオン電池(LiB)が入っている玩具などの選別が苦手だった。今宿芳明開発本部長は「人の手が映り込まない遠隔操作なら、人が何を見てどのような判断をしたのかという事例を集めやすい」という。
国外からの操作も可能で、今後は暗号資産(仮想通貨)による対価支払いの仕組み作りを進める方針だ。既にシンガポールが拠点のデジタル・エンターテインメント・アセット(吉田直人・山田耕三共同代表)と開発に着手。同社は現実世界で稼げるブロックチェーン(分散型台帳)ゲームを意味する「GameFi(ゲーミファイ)」の分野に知見がある。