工程表から日報まで…清水・竹中・NTTコムが施工情報をデジタル連携
清水建設と竹中工務店、NTTコミュニケーションズは11日、建設現場の施工管理情報をデジタル化して連携させる基盤づくりに取り組むと発表した。工事全体の流れを示す工程表から各工程の細かい作業を記載する日報まで、粒度の違いから分断されていた各種データを整理・統合。現場管理者の作業効率を引き上げ、人員と時間の3割削減を目指す。2023年度から段階的に実装し、業界標準として仕上げる。
建設現場における施工管理業務では工程作成や計画・調整・手配のほか、朝礼や作業間調整、搬入・揚重、作業指示など各業務に特化したアプリケーションが使われている。このため実用的なデータ連携が難しく、DX化が進まない課題があった。3社は情報粒度の差を調整した上で、それぞれを連携させる基盤を開発。さらに現場で取得したデータを分析し、施工管理の高度化と業務プロセスの最適化につなげる。
清水建設の山﨑明専務執行役員は同日の会見で「デジタル化における最後の課題が工程表だった。データベースができれば生産性の向上や工期短縮につながる施策を打てる」と期待する。竹中工務店の丁野成人専務執行役員も「時間外労働の上限規制適用が24年4月に迫る中で、建設現場の生産性向上は喫緊の課題。建設業界のオープンかつスタンダードなものにしたい」と意欲を見せた。
日刊工業新聞 2023年07月12日