メモリー市況悪化で半導体装置の販売マイナス…背景に「ストリーミング配信」の浸透も
日本半導体製造装置協会(SEAJ、東京都千代田区)がまとめた日本製半導体製造装置の5月の販売高(速報値、3―5月の3カ月平均)は前月比6・1%減の3134億1200万円で、2カ月連続のマイナスとなった。メモリー半導体の市況悪化が続き、メーカーが新規の設備投資に慎重になっている状況を反映した。
メモリー半導体は搭載先の約5割を占めると見られるスマートフォン(スマホ)やパソコン向けが依然振るわず、装置需要に影響が波及している。世界景気の後退懸念などが背景にあるが、ストリーミング配信の浸透などでスマホに大容量データを保存する必要性が低下し、足元以上のストレージ容量が不要になりつつある構造問題も陰を落としていると見られる。
電流の制御に使うパワー半導体は電気自動車(EV)向け需要が活況だが、装置需要全体に占める比率が小さく、メモリー向けなどの落ち込みを吸収し切れなかった。
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日刊工業新聞 2023年06月23日