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家電・住設の延長保証、SOMPOワランティが訴求する社会貢献

家電・住設の延長保証、SOMPOワランティが訴求する社会貢献

加入者は保証期間を延長して無料で修理サービスを受けられる

SOMPOワランティ(東京都千代田区、中野育哉社長)は家電や住宅設備などの延長保証サービスを提供する。ユーザーは対象製品購入時に保証に加入することで保証期間を延長して無料で修理サービスを受けられる。中野社長は「使い慣れた良い製品をより長く使いたいニーズは根源的に必ずある」と延長保証ビジネスを通じた社会貢献を訴求する。

大量生産・大量消費の経済ビジネスから循環型社会への転換が叫ばれて久しい。ただ国連が2020年に発表した調査によると、世界の電気電子機器廃棄物は19年に5360万トンに上り、わずか5年で21%増えた。大量の電気電子機器廃棄物の発生は水銀など有害物質の発生による健康被害や環境破壊につながり生命の危機を脅かすリスクになり得る。

延長保証の販売スキーム。SOMPOワランティでは約550社との修理ネットワークを築いている

SOMPOワランティは延長保証ビジネスが製品を修理する選択肢を提供し、再利用を促進することにつながると期待。国連の持続可能な開発目標(SDGs)17目標のうち「すべての人に健康と福祉を」「つくる責任 つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」などで社会的役割を果たせると考える。

日本では“もったいない”に代表される思想が根付くほか、世界でもシェアリングビジネスが急拡大するなど環境に優しい消費活動の動きは顕著だ。ただ国内では家電購入時などに延長保証に加入する割合は1―2割程度と言われ高くない。中野社長は「加入率を高める努力が必要」と指摘。今後、保証の対象製品を拡充することや、蓄積される修理データの有効な使い方などを思案している。

同社は22年に延長保証業界で初めて日本格付研究所(JCR)から「AA」の格付けを取得した。延長保証ビジネスは参入障壁が低い分、過去には事業が立ち行かなくなった企業もある。事業特性として長期・安定的な運営が求められ、信用力は欠かせない要素だ。中野社長は「(格付け取得が)業界に一石を投じると同時に、業界の健全な発展につながれば」と思いを込める。

日刊工業新聞 2023年03月07日

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