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日産・ソニー・パナソニック…コロナ禍乗り越え、入社式で企業トップが語ったこと

日産・ソニー・パナソニック…コロナ禍乗り越え、入社式で企業トップが語ったこと

日産自動車の入社式で話す内田社長

全国の多くの企業が3日、入社式を開いた。新型コロナウイルス感染拡大で制限されていた経済活動が再開している中、4年ぶりに対面で開催したり、マスクを着用しなかったりとコロナ前の式典の姿に戻りつつある。各社トップはコロナ禍を経て未来を切り開くために挑戦していこうと、新入社員にメッセージを贈った。

日産自動車は4年ぶりとなる対面方式の入社式を横浜市西区の本社で開いた。参加した757人の新入社員に向けて、内田誠社長は「失敗を恐れず何事にもチャレンジしてほしい。この先10年、さらにはその先に向け、一緒にワクワクする未来を創っていこう」と呼びかけた。

式に参加した新入社員の藤原健太郎さん(24)は「大学の授業や研究はオンラインが多かった。同期のみんなと会って(社会人の)スタートを切れるのが嬉しい」と、対面方式の入社式に参加する喜びを語った。

パナソニックホールディングス(HD)は大阪府門真市の本社で子会社のパナソニックオペレーショナルエクセレンスと合同で開催し、新入社員80人が出席。楠見雄規社長は2年目に入る事業会社制について「創業者の松下幸之助が生涯追い求めた『物と心が共に豊かな理想の社会』実現に向け成長を続けるために昨年4月に事業会社制へ移行した」と説明。「パナソニックHDは持ち株会社としてそれぞれの事業の競争力強化を支援することが重要。世界中の人々を幸せにするグループになるために全員で挑戦を重ねていこう」と呼びかけた。

事業子会社のパナソニックは同吹田市の「パナソニックスタジアム吹田」で開催し、現地参加370人とオンライン23人の計393人が入社した。

オンライン開催となったソニーグループの吉田憲一郎会長最高経営責任者(CEO)は新入社員宛てのメッセージで「多様な事業を通じ、グループの成長に向け新たにチャレンジするが『感動』がクリエイティビティーから生まれるのは今後も変わらない」とした上で「クリエーターから世界で最も選ばれるブランドでありたい」と強調した。

台湾積体電路製造(TSMC)などが出資する、ジャパン・アドバンスド・セミコンダクター・マニュファクチャリング(JASM)は第1期生125人が入社した。堀田祐一社長は「JASMは日本における半導体関連企業が成長するきっかけとなることが期待されている」と使命を強調。「組織にイノベーションを解き放ってください」と呼びかけた。

新入社員は日本でのオリエンテーション後、台湾のTSMCの工場で約半年間の研修を受ける予定。JASMは熊本県菊陽町で工場の建設が進み、2024年末までの生産開始を目指している。

日本製鉄は全社の新入社員843人のうち、本社採用の139人が出席した。橋本英二社長は現在取り組む脱炭素に触れ、「困難な道のりだが、技術開発力が競争力とブランド力を決める極めてチャンスの大きい時代。私が先頭に立って乗り越えていくので、信じて付いてきてほしい」と訴えた。

全新入社員のうち女性は1割強で外国人は1人。4日から研修に入り、6月に各部署に本配属となる予定だ。


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日刊工業新聞 2023年4月3日

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